TOM'S SPIRIT

TOM'S SPIRIT

FIA-F4 Race Report

2025.11.7

2025 FIA-F4選手権 第13戦・第14戦/モビリティリゾートもてぎ

#29 鈴⽊⽃輝哉がシリーズチャンピオンに!

Preview

FIA-F4選手権今季最終大会の公式予選が行われる11月1日土曜のモビリティリゾートもてぎは、朝から快晴で眩しい日差しに包まれたものの、コース上は前夜の雨の影響が色濃く残り、ところどころ乾き始めてはいたものの、ほぼ全面に渡って黒く湿ったいわゆるダンプコンディション。これを受けて、午前8時からのチャンピオンクラス公式予選に向けてはWET宣言が発出されることとなったが、徐々にコース状況が好転することが予想されたことから、チャンピオンクラスは出走した27台すべてがドライタイヤを装着してのコースインとなった。

Comments

#29 鈴木 斗輝哉
ポイントランキング2位で、最終戦を迎えます。
前回のオートポリスから時間が少なかったですが、自分的に一つのヒントを見つけたので存分に発揮するのみと思っています。ランキングも下がることは無いので、失うものは無いです。
今年の集大成を2連勝で締めくくり、最終的にチャンピオンを取れるように頑張ります。

#35 鈴木 恵武
前回のオートポリスでは、予選で変化した路面にドライビングを合わせきることが出来ず、タイムを出せませんでした。しかし、レース内容としては成長できた面もあり、落ち着いてレースを組み立てていく事は出来るようになったと思います。
予選については、対策はしっかりと講じてきたので、その成果をしっかりと発揮して決勝では表彰台を狙っていきます。

#36 菊池 貴博
今回で2025年シーズンは最終戦になります。これまでの練習やレースで経験できたことの全てを出し切り、結果に繋げられるように頑張ります。また、金曜、土曜と雨予報があるので臨機応変に対応していきたいと思います。
レースに向けて良い流れを作れるようにフリープラクティスから良いスタートを切れるように頑張ります。予選までにドライビングのアジ ャストやマシンセッティングの変更などを効率よく使えるように計画を立て進められるようにしたいと思います。

第13戦・第14戦 公式予選 / 20分

2025年11月1日(土) / 天候:晴れ / 路面:ドライ

Result

第13戦 #29 鈴木 斗輝哉
予選順位:3位
ベストタイム:2’00.351

第13戦 #35 鈴木 恵武
予選順位:8位
ベストタイム:2’00.717

第13戦 #36 菊池 貴博
予選順位:18位
ベストタイム:2’01.341

第14戦 #29 鈴木 斗輝哉
予選順位:2位
ベストタイム:2’00.692

第14戦 #35 鈴木 恵武
予選順位:10位
ベストタイム:2’01.362

第14戦 #36 菊池 貴博
予選順位:16位
ベストタイム:2’02.238

  • < チャンピオンクラス29台 >

オンタイムの午前8時開始となったCHクラスの公式予選。前述したようにダンプコンディションながら、各車ドライタイヤを装着していることもあり、コースイン直後は各車慎重な周回となるが、それでも逆転タイトルを狙う鈴木斗輝哉は序盤からプッシュ。上位陣が2分11秒台を刻んでいる2周目に2分10秒 082をマークしモニターのトップにつける。
鈴木斗輝哉はさらに翌周、2分07秒783にトップタイムを押し上げるが、徐々に周囲もタイムを上げ始め、TGR-DCメンバーの梅垣清、菊池貴博らが僅差で鈴木斗輝哉に続いていく。
4周目に入り鈴木斗輝哉が2分05秒831へとタイムアップ。走行するにつれて路面のドライア ップは進み、毎周毎にライバル車両を含めてラップタイムが更新されセッション終盤にさらに路面状況が向上する。
チェッカーラップとなる最終の周回がもっとも良いコンディションとなり、最終的にラストアタック勝負となった結果、ホンダ育成の新原が2分00秒232を叩き出して再逆転でトップタイムをマーク。2分00秒299を刻んだハイドレイジア白崎が2番手、TGR-DC鈴木斗輝哉が3番手、チャンピオンシップをリードする佐藤が4番手で第13戦の予選となった。
一方、セカンドベストタイムで決まる第14戦予選では、佐藤が2分00秒637でポールシッターとなり、これにTGR-DC鈴木斗輝哉、ハイドレイジア白崎、TGR-DC梅垣、三浦、ホンダの新原が続くグリッドとなった。

Comments
  • #29 鈴木 斗輝哉
    ダンプコンディションでの予選となり、自分の得意な風が吹いたことにより、前日のフリープラクティスの調子と比べたら自分の力を出せた予選だったと思います。
    序盤から勢いよくアタックすることが出来ましたし、ファーストとセカンドのラップ差も少なくポールこそ取れませんでしたが、佐藤選手の近くでレースをスタートすることができるのでチャンスをモノにできる様に、決勝はやり切ります。
  • #35 鈴木 恵武
    第13戦は8位、第14戦は10位となりました。
    ドライの練習ではかなり手応えはあり、自信を持って予選に臨もうとしましたが、 予選はウェット路面でのアタックとなりました。 難しいコンディションでしたが、ラストアタックでしっかりと走りをまとめられたことは良かったと思います。
    決して良い順位からのスタートとは言えませんが、しっかりと力強いレースを見せ、順位を上げて終えられるように、レースを組み立てていきたいです。
  • #36 菊池 貴博
    予選18位。金曜日の夜に雨が降ったことで、ウェット路面からコンディションが回復して最後の周に最もタイムが出るという難しい状況において、最終ラップでタイムをまとめられるように意識して走行しましたが、セッション中盤の1コーナーでコースオフして大きくロスをしてしまいました。
    そのため最後のアタックラップに入る前にチェッカーとなってしまい、一番路面コンディションが良い状況でタイムを出すことが出来ず、13戦14戦ともに18番手スタートとなりました。レースで一つでも多くポジションを上げて挽回できるように気持ちを強く持っていきます。

第13戦 決勝 / 12Lap or 30分

2025年11月1日(土) / 天候:晴れ / 路面:ドライ

Result

#29 鈴木 斗輝哉
決勝順位:2位
ベストタイム:1’58.653

#35 鈴木 恵武
決勝順位:8位
ベストタイム:1’59.350

#36 菊池 貴博
決勝順位:16位
ベストタイム:1’59.777

  • < チャンピオンクラス 29台 >

ピットウォークが終わった午後0時35分、FIA-F4選手権第13戦決勝に向けてのコースインがオンタイムで開始された。
第12戦までの戦いで2025年のFIA-F4選手権のチャンピオンの権利を有しているのはハイドレイジア佐藤樹とTGR-DC鈴木斗輝哉の2名のみ。
ダンプコンディションであった朝の公式予選から一転、完全なドライコンディションとなった第13戦決勝は、午後0時50分にフォーメーションラップがスタートとなった。
このレースのポールシッターは新原光太郎。2番手に白崎稜、3番手に鈴木斗輝哉、4番手に佐藤樹、5番手に三浦柚貴、6番手に洞地遼大という上位陣を先頭に、隊列は1周を終えて再びグリッドにむかう。
ところが、ここでシグナルの不具合が発生しており、スタートはディレイに。このため、1周減算され12周の戦いとなった上で、午後0時56分に再度フォーメーションラップがスタートすることとなり運命が大きく左右されることとなる。
なんとここで4番グリッドの佐藤の手が挙がり、タイトル争いのかかった重要な戦いの前に、バッテリーのトラブルに見舞われてエンジン再始動ができず、グリッドに止まったまま全車に追い越された佐藤のマシンは、オフィシャルの手によりピットロードへ押し戻され、ピットスタートとなってしまう。佐藤にとって予想外の展開をよそに、隊列は仕切り直しのフォーメーションラップを終え、再びグリッドに戻ると午後1時ちょうどに第13戦決勝の火蓋が切って落とされた。
スタートではポールシッターの新原が良い加速を見せ、白崎2番手、3番手に鈴木斗輝哉、さらに三浦、洞地とほぼグリッド順通りに1~2コーナー、3~4コーナーをクリアするが、5コーナーへのアプローチで鈴木斗輝哉が白崎のインに飛び込み、立ち上がりで2番手を奪い取る。その攻防の中で白崎は立ち上がりでコースオフして失速してしまい、130RからS字にかけて更に順位を下げる。
ピットスタートからの追い上げが期待された佐藤だったが、なんとエンジン不調が再発、S字手前のアウト側グリーン上にマシンを止めリタイヤ。
オープニングラップのヘアピンの立ち上がりでインディペンデントクラスの攻防の中で接触の影響で1台のマシンがスピンしグラベルにスタックしたことも有り、セイフティーカーが導入される。リスタートは5周目からとなったが、ここからスパートしたのはトップの新原。
結局新原がそのまま逃げ切ってポール・トゥ・ウインで今季2勝目をゲット。鈴木は2位でのチェッカー。 鈴木は18ポイントを積み重ね、佐藤とのポイント差を一気に5.5ポイントとし、明日の第14戦に逆転タイトルの望みを繋ぐこととなった。

Comments
  • #29 鈴木 斗輝哉
    得意のスタートで順位を上げてからはセイフティーカーなどが入り、チャンスがあるとは思いましたが、セイフティーカー明けのリスタートでの発熱に苦しみ仕掛けることが出来ませんでした。
    終盤まで単独走行となり、そのままチェッカーとなりましたが、ライバルのリタイヤに伴いポイント差がかなり埋まったので、明日の14戦のレースは「前でゴールしたモノがシリーズチャンピオン」となります。
    自分の強みをしっかり物にして1年の集大成を発揮できるようにがんばりたいと思います。
  • #35 鈴木 恵武
    第13戦は8位ゴールとなりました。スタートを決めることが出来ず、オープニングラップで順位を上げることが出来ませんでした。
    その後のバトルでは悪くない動きをすることが出来たのは、オートポリス大会からの進歩だと思います。
    スタートの失敗について、考えられる要因はいくつか思い当たるので、その部分を修正して明日のレースに臨もうと思います。
  • #36 菊池 貴博
    第13戦16位。予選の順位からできるだけ上げる、また接触やスピンをしないように意識して走行しました。そして順位を上げるためにクラッチミートの感覚やシグナルの反応、スタート後のポジションなどをイメージして臨みました。
    スタートは反応もクラッチミートも上手くいき、1ポジション上げることができました。しかしその後の5コーナーでインにいたマシンとの接触を回避して縁石の外からに逃げた結果、ポジションを下げてしまいました。
    その後セイフティーカーは入り、レース再開後はタービュランスの中において3台を攻略することができ、最終的に16位でチェッカーとなりました。このレースはスタートがオートポリスに続いて上手くできたことやバトルでの状況判断が上手くいった点はポジティブでした。
    明日のレースも18番手からのスタートなので、更に上を目指せるように準備します。反省点は前のマシンを抜くのに少し手間取 ってしまったこととスタートからもっと積極的にチャンスを伺い、ポイント付近までポジションを上げたいです。

第14戦 決勝 / 13Lap or 30分

2025年11月2日(日) / 天候:薄曇り / 路面:ドライ

Result

#29 鈴木 斗輝哉
決勝順位:4位
ベストタイム:1’58.274

#35 鈴木 恵武
決勝順位:8位
ベストタイム:1’58.653

#36 菊池 貴博
決勝順位:26位
ベストタイム:1’59.655

  • < チャンピオンクラス 29台 >

11月2日日曜、やや雲はあったものの雨の気配もなく、ドライコンディションで迎えたFIA-F4選手権の今季最終戦、第14戦決勝はチャンピオンの掛かった大一番となった。
チャンピオンクラスでは、5.5ポイント差でランキング首位の佐藤樹がポールシッター。しかし、ランキング2位の鈴木斗輝哉が2番グリッドと、緊張感みなぎるフロントロウに。2列目以降にはハイドレイジア白崎稜、TGR-DC梅垣清、TGR-DC三浦柚貴が続く。
午前8時25分、オンタイムでフォーメーションラップが開始され、1周の後、いよいよ運命の13ラップがスタートした。
レッドシグナルが消えると、ポールポジションの佐藤以下、いっせいに動き出したが、ここで佐藤を上回る加速を見せたのは鈴木斗輝哉。鈴木斗輝哉は、1コーナーまでに佐藤よりも先行したものの、1コーナーのブレーキングでロックさせ、僅かにアウトにはらんでしまい、そのイン側に佐藤が飛び込み、2台は並走しながら2コーナーを立ち上がるが、ここで接触がありアウト側の鈴木斗輝哉はダートにはみ出す。
ここで一旦佐藤がトップを奪い返すも、鈴木斗輝哉は3〜4コーナーにかけて再び佐藤に並びかける。すると、4コーナー出口で2台は再び接触、今度はアウト側にいた佐藤が大きく弾かれてコースアウト。鈴木斗輝哉がトップに立つ一方、佐藤は大きく25〜26番手あたりまでポジションダウン。この激しい攻防の結果、5コーナーへの加速が鈍った鈴木斗輝哉に今度はハイドレイジアの僚友、白崎が並びかけ、立ち上がりでトップを奪い鈴木斗輝哉は2番手に後退する。
これによって、上位陣は白崎、鈴木斗輝哉、梅垣、三浦となるも、インディペンデントクラスのコースアウトおよびホームストレートにおける他車のウイング脱落に伴い、セイフティーカーが導入される。
セーフティーカーランは4周終了時まで続けられ、レースは5周目からリスタート。上位陣では、そこから大きな順位変動のないまま周回が進むが、7周目に佐藤、そして鈴木斗輝哉双方に、1周目の接触に関して5秒のタイムペナルティーという裁定が下される。この時点で佐藤はポイント圏外、鈴木斗輝哉は2番手を走行中ながら、後続とのタイム差次第ではタイトル逆転に必要な7位(=6ポイント)以下に降格されてしまう可能性もある状態。
トップ白崎は、1秒強のマージンを保って着実に周回し、脅かされることなく13周を走り切りトップチェッカー。2番手でフィニッシュした鈴木斗輝哉だが、5秒加算された結果は4位。2位に梅垣、3位に三浦が繰り上がるも、鈴木斗輝哉が逆転で今季のチャンピオンを獲得することとなった。

Comments
  • #29 鈴木 斗輝哉
    スタートダッシュを完璧に決めてからアグレッシブルに攻めていき4コーナーでの接触と攻防戦で前に出ましたが、接触の影響で少し加速が鈍り順位を戻してしまう形になりました。
    1周目の接触からペナルティーを受けてからは常にフルプッシュで走り途中セイフティーカーが入りギャップが縮まり、チャンスはあったのですが、第13戦と同じくセイフティーカー明けのリスタートが遅く、終盤まで順位を上げられず、チャンスを作れなかったレースでした。
    2位でチェッカーを受けましたが、タイムペナルティー5秒加算に伴い、正式には4位となり、ライバルドライバーがノーポイントだったため、逆転でチャンピオンを獲得することが出来ました。
  • #35 鈴木 恵武
    第14戦は8位ゴールとなりました。
    今回は昨日の反省を生かし、スタートを成功させることができ、1周目で2台をオーバーテイクすることができたのは良かったと思います。しかしその後のバトル中に何回かミスをしてしまい、そこでオーバーテイクされてしまったのが凄くもったいなかったです。ただ、セイフティーカーからのリスタート時の課題などは今回で克服することができ、ポジティブに捉えることが出来る面もありました。
    今大会も様々な面でのサポートありがとうございました。
  • #36 菊池 貴博
    第14戦26位、昨日の第13戦よりも順位を上げて帰ってくることを目標にしていました。
    順位を上げる為に昨日の課題を確認して上手い選手の抜き方を研究するなどして、スタートで一台抜き、その後もハイペースで追い抜くことができましたが、90度コーナーで他車と接触し最後尾まで下がってしまいました。
    接触により全てを水の泡にしてしまってまだまだ足りていませんでした。反省しかないです。

ドライバーズランキング

#29 鈴木 斗輝哉
順位:1位(シリーズチャンピオン) / ポイント:219

#35 鈴木 恵武
順位:11位 / ポイント:31

#36 菊池 貴博
順位: 19位 / ポイント:5